Column
コンベックス(ハマグリ刃)の研ぎ方|革砥ストロップ入門
結論:コンベックス(ハマグリ刃)は、日常維持なら「革砥(ストロップ)+研磨剤」、鈍ったら「サンドペーパー+マウスパッド法」で研ぎます。固定角度の砥石は刃の丸みを平らに削ってしまうため不向きです。コンベックスを多く採用するBark Riverのナイフ(A2鋼・CPM-3V)を例に、革砥の使い方から番手選びまで、初めての方向けに手順で解説します。 コンベックスグラインドは刃の根元から刃先まで丸く膨らんだ断面を持ち、切れ味の鋭さと刃先の強さを両立します。一方で平らな砥石にそのまま当てると丸みが消えるため、専用の研ぎ方が必要です。革砥とサンドペーパーの2手法を、自宅での研ぎ・メンテ検証をもとに番号手順でまとめました。研ぎ・防錆・保管を通しで知りたい方はアウトドアナイフのメンテナンス完全ガイド|研ぎ・防錆・保管もあわせてご覧ください。 コンベックス(ハマグリ刃)とは? コンベックスは、刃の側面が外側へ丸く膨らんだグラインド形状です。断面がハマグリの貝殻のように見えることから日本では「ハマグリ刃」と呼ばれ、平面で構成されるフラットグラインドやV字のスカンジグラインドと区別されます。 丸みのおかげで刃先の角度に厚みが残り、薪割りやバトニングといった衝撃のかかる作業でも刃こぼれしにくいのが特長です。Bark Riverはこのコンベックスを主力グラインドとして採用しており、A2鋼の定番Auroraや、多鋼材展開のBravo 1など、多くのモデルが工場出荷時からハマグリ刃に仕上げられています。鋼材ごとの硬さや粘りの違いはアウトドアナイフ鋼材ガイド|CPM-3V/MagnaCut/A2/CPM-154比較で詳しく扱っています。 問題は研ぎ直しです。コンベックスは「明確な刃付け角度」を持たないため、固定角度ガイドや平らな砥石を当てると、膨らんだ部分が削られて二段刃(マイクロベベル)になります。これを避けるのが革砥とサンドペーパー法の役割です。 コンベックスは何で研ぐ? 日常の切れ味維持は「革砥(ストロップ)+研磨剤」、刃が本格的に鈍ったら「サンドペーパー+やわらかい下敷き(マウスパッド)」で研ぎます。この2つで、固定角度の砥石を使わずに丸みを保てます。 革砥は牛革やバルサ材の上で刃を引いて、ミクロン単位のバリ取りと鏡面仕上げを行う道具です。研磨剤には酸化クロム(グリーンコンパウンド、約0.5ミクロン相当)が広く使われ、コンベックスの最終仕上げに向きます。これだけで、軽く切れ味が落ちた段階なら数分で復活します。 刃が紙をスパッと切れないほど鈍った場合は、サンドペーパーを使います。マウスパッドやゴムシートなど弾力のある下敷きの上に耐水ペーパーを置き、刃を押し当てると、ペーパーが刃の丸みに沿って沈み込み、コンベックス形状を保ったまま研げます。これがコンベックス研ぎの核心です。固定角度の砥石やシャープナーは、丸みを平らに削るため使いません。 革砥(ストロップ)での日常維持手順は? 手順は「①研磨剤を革に塗る→②刃を寝かせて当てる→③刃を引く(押さない)→④裏返して反対面→⑤左右各15〜20回」の5ステップです。1回の作業は約5分、切れ味が少し落ちたと感じたタイミングで行います。 自宅でのメンテ検証では、Bark River Auroraに対して以下の番号手順で行い、酸化クロムのグリーンコンパウンドを使うと、コピー用紙を縦にスッと切れる状態まで5分で回復することを確認しました。 研磨剤を塗る:革砥の表面にグリーンコンパウンド(酸化クロム約0.5ミクロン)を擦りつけ、薄くムラなく行き渡らせる。 刃を当てる:刃を寝かせ、コンベックスの丸みが革に面で触れる角度に置く。鋭角に立てすぎない。 引く:刃の背の方向(刃先と逆)へ革をなでるように引く。絶対に刃先方向へ押さない(革を削り危険)。 裏返す:刃を反対面にして同じ角度・同じ方向で引く。左右の回数を均等にする。 反復:左右各15〜20回を目安に。爪に軽く当てて滑らず食いつけば仕上がり。 ポイントは「角度を立てすぎないこと」です。立てるとコンベックスの先端だけが当たり、徐々に二段刃化します。革の弾力で丸み全体をなでる意識が、ハマグリ刃を保つコツです。日常の防錆と合わせた手入れはナイフのサビ防止と日常の手入れ|炭素鋼・ステンレス別が参考になります。 サンドペーパー+マウスパッド法のやり方は? 弾力のある下敷きの上に耐水ペーパーを置き、番手を粗→細へ上げながら刃を引いて研ぎます。下敷きがペーパーを刃の丸みに沿って沈ませるため、平らな砥石では崩れるコンベックスを保ったまま研ぎ直せます。 用意するのは耐水サンドペーパー(#400/#800/#1500/#2000程度)と、マウスパッドまたは厚さ5mm前後のゴムシート、水または石鹸水です。粗い番手で形を整え、細かい番手で仕上げる流れは、番手の番号順に進めます。 下敷きを置く:平らな台にマウスパッド、その上に耐水ペーパー#400を置き、水を少量たらす。 粗研ぎ:刃を寝かせて当て、革砥と同じく刃の背方向へ引く。左右各10〜15回で刃先のダレを取る。 番手を上げる:#800→#1500→#2000の順に交換し、各番手で左右均等に引く。傷が細かくなり光沢が出る。...
コンベックス(ハマグリ刃)の研ぎ方|革砥ストロップ入門
結論:コンベックス(ハマグリ刃)は、日常維持なら「革砥(ストロップ)+研磨剤」、鈍ったら「サンドペーパー+マウスパッド法」で研ぎます。固定角度の砥石は刃の丸みを平らに削ってしまうため不向きです。コンベックスを多く採用するBark Riverのナイフ(A2鋼・CPM-3V)を例に、革砥の使い方から番手選びまで、初めての方向けに手順で解説します。 コンベックスグラインドは刃の根元から刃先まで丸く膨らんだ断面を持ち、切れ味の鋭さと刃先の強さを両立します。一方で平らな砥石にそのまま当てると丸みが消えるため、専用の研ぎ方が必要です。革砥とサンドペーパーの2手法を、自宅での研ぎ・メンテ検証をもとに番号手順でまとめました。研ぎ・防錆・保管を通しで知りたい方はアウトドアナイフのメンテナンス完全ガイド|研ぎ・防錆・保管もあわせてご覧ください。 コンベックス(ハマグリ刃)とは? コンベックスは、刃の側面が外側へ丸く膨らんだグラインド形状です。断面がハマグリの貝殻のように見えることから日本では「ハマグリ刃」と呼ばれ、平面で構成されるフラットグラインドやV字のスカンジグラインドと区別されます。 丸みのおかげで刃先の角度に厚みが残り、薪割りやバトニングといった衝撃のかかる作業でも刃こぼれしにくいのが特長です。Bark Riverはこのコンベックスを主力グラインドとして採用しており、A2鋼の定番Auroraや、多鋼材展開のBravo 1など、多くのモデルが工場出荷時からハマグリ刃に仕上げられています。鋼材ごとの硬さや粘りの違いはアウトドアナイフ鋼材ガイド|CPM-3V/MagnaCut/A2/CPM-154比較で詳しく扱っています。 問題は研ぎ直しです。コンベックスは「明確な刃付け角度」を持たないため、固定角度ガイドや平らな砥石を当てると、膨らんだ部分が削られて二段刃(マイクロベベル)になります。これを避けるのが革砥とサンドペーパー法の役割です。 コンベックスは何で研ぐ? 日常の切れ味維持は「革砥(ストロップ)+研磨剤」、刃が本格的に鈍ったら「サンドペーパー+やわらかい下敷き(マウスパッド)」で研ぎます。この2つで、固定角度の砥石を使わずに丸みを保てます。 革砥は牛革やバルサ材の上で刃を引いて、ミクロン単位のバリ取りと鏡面仕上げを行う道具です。研磨剤には酸化クロム(グリーンコンパウンド、約0.5ミクロン相当)が広く使われ、コンベックスの最終仕上げに向きます。これだけで、軽く切れ味が落ちた段階なら数分で復活します。 刃が紙をスパッと切れないほど鈍った場合は、サンドペーパーを使います。マウスパッドやゴムシートなど弾力のある下敷きの上に耐水ペーパーを置き、刃を押し当てると、ペーパーが刃の丸みに沿って沈み込み、コンベックス形状を保ったまま研げます。これがコンベックス研ぎの核心です。固定角度の砥石やシャープナーは、丸みを平らに削るため使いません。 革砥(ストロップ)での日常維持手順は? 手順は「①研磨剤を革に塗る→②刃を寝かせて当てる→③刃を引く(押さない)→④裏返して反対面→⑤左右各15〜20回」の5ステップです。1回の作業は約5分、切れ味が少し落ちたと感じたタイミングで行います。 自宅でのメンテ検証では、Bark River Auroraに対して以下の番号手順で行い、酸化クロムのグリーンコンパウンドを使うと、コピー用紙を縦にスッと切れる状態まで5分で回復することを確認しました。 研磨剤を塗る:革砥の表面にグリーンコンパウンド(酸化クロム約0.5ミクロン)を擦りつけ、薄くムラなく行き渡らせる。 刃を当てる:刃を寝かせ、コンベックスの丸みが革に面で触れる角度に置く。鋭角に立てすぎない。 引く:刃の背の方向(刃先と逆)へ革をなでるように引く。絶対に刃先方向へ押さない(革を削り危険)。 裏返す:刃を反対面にして同じ角度・同じ方向で引く。左右の回数を均等にする。 反復:左右各15〜20回を目安に。爪に軽く当てて滑らず食いつけば仕上がり。 ポイントは「角度を立てすぎないこと」です。立てるとコンベックスの先端だけが当たり、徐々に二段刃化します。革の弾力で丸み全体をなでる意識が、ハマグリ刃を保つコツです。日常の防錆と合わせた手入れはナイフのサビ防止と日常の手入れ|炭素鋼・ステンレス別が参考になります。 サンドペーパー+マウスパッド法のやり方は? 弾力のある下敷きの上に耐水ペーパーを置き、番手を粗→細へ上げながら刃を引いて研ぎます。下敷きがペーパーを刃の丸みに沿って沈ませるため、平らな砥石では崩れるコンベックスを保ったまま研ぎ直せます。 用意するのは耐水サンドペーパー(#400/#800/#1500/#2000程度)と、マウスパッドまたは厚さ5mm前後のゴムシート、水または石鹸水です。粗い番手で形を整え、細かい番手で仕上げる流れは、番手の番号順に進めます。 下敷きを置く:平らな台にマウスパッド、その上に耐水ペーパー#400を置き、水を少量たらす。 粗研ぎ:刃を寝かせて当て、革砥と同じく刃の背方向へ引く。左右各10〜15回で刃先のダレを取る。 番手を上げる:#800→#1500→#2000の順に交換し、各番手で左右均等に引く。傷が細かくなり光沢が出る。...
ナイフのサビ防止と日常の手入れ|炭素鋼・ステンレス別
結論:ナイフのサビ防止は「使ったらすぐ水分を拭き取る」「保管前に椿油かミンクオイルを薄く塗る」の2つが基本です。A2鋼やCPM-3Vなど炭素鋼は錆びやすいので使用直後の手入れが必須、CPM-154やCPM MagnaCutなどステンレスは手入れ間隔を空けられます。鋼材の違いで頻度を変えるのが、防錆ケアが初めての方向けの正解です。 ナイフは切れ味より先に「サビ」で寿命を縮めます。水分と塩分を残したまま放置すれば、A2鋼は一晩で点錆が出ることもあります。ここでは炭素鋼とステンレスの防錆差、使用後の水分除去、椿油・ミンクオイルの塗布手順を、店舗での検品とメンテ検証をもとに整理します。研ぎ・保管まで含めた全体像はアウトドアナイフのメンテナンス完全ガイド|研ぎ・防錆・保管も参考になります。 炭素鋼とステンレスはなぜ防錆差が出る? 差を生むのはクロム含有量です。一般にクロムを約11%以上含む鋼を「ステンレス」と呼び、表面に不動態被膜を作って錆を抑えます。クロムが少ない炭素鋼(カーボンスチール)はこの被膜が弱く、水分と酸素で容易に酸化します。 Bark Riverが多用するA2鋼はクロム約5%の工具鋼で、靭性と研ぎやすさに優れる一方、防錆性は低い炭素鋼に分類されます。CPM-3Vも同様にクロム約7.5%で錆びやすい部類です。対してCPM-154はクロム約14%、CPM MagnaCutはクロム約10.2%に窒素を加えた設計で、いずれも実用上ステンレスとして扱えます。同じBark Riverのナイフでも、A2モデルとCPM-154モデルでは手入れの厳しさがまったく違うわけです。 数値で並べると差が明確になります。クロムが多いほど被膜が安定し、水気の拭き残しに対する許容度が上がります。鋼材を選ぶ段階で防錆性を確認したい方はBark Riverナイフ一覧で各モデルの鋼材表記をチェックしてください。 鋼材ごとの防錆性はどれくらい違う? 防錆性は「ステンレス>炭素鋼」で、手入れ頻度は炭素鋼が約3〜5倍シビアです。クロム量を基準にすると、CPM-154やCPM MagnaCutは数日の拭き残しに耐えますが、A2鋼やCPM-3Vは使用後すぐの処置が前提になります。 代表的な鋼材を防錆性の目安で並べると次の通りです。手入れ頻度は店舗での在庫管理と社内テストでの体感を加味した目安です。 鋼材(正式名称) 分類 クロム量の目安 防錆性 手入れ頻度の目安 A2鋼 炭素鋼(工具鋼) 約5% 低い 使用後すぐ+月1 CPM-3V 炭素鋼(粉末工具鋼) 約7.5% やや低い 使用後すぐ+月1...
ナイフのサビ防止と日常の手入れ|炭素鋼・ステンレス別
結論:ナイフのサビ防止は「使ったらすぐ水分を拭き取る」「保管前に椿油かミンクオイルを薄く塗る」の2つが基本です。A2鋼やCPM-3Vなど炭素鋼は錆びやすいので使用直後の手入れが必須、CPM-154やCPM MagnaCutなどステンレスは手入れ間隔を空けられます。鋼材の違いで頻度を変えるのが、防錆ケアが初めての方向けの正解です。 ナイフは切れ味より先に「サビ」で寿命を縮めます。水分と塩分を残したまま放置すれば、A2鋼は一晩で点錆が出ることもあります。ここでは炭素鋼とステンレスの防錆差、使用後の水分除去、椿油・ミンクオイルの塗布手順を、店舗での検品とメンテ検証をもとに整理します。研ぎ・保管まで含めた全体像はアウトドアナイフのメンテナンス完全ガイド|研ぎ・防錆・保管も参考になります。 炭素鋼とステンレスはなぜ防錆差が出る? 差を生むのはクロム含有量です。一般にクロムを約11%以上含む鋼を「ステンレス」と呼び、表面に不動態被膜を作って錆を抑えます。クロムが少ない炭素鋼(カーボンスチール)はこの被膜が弱く、水分と酸素で容易に酸化します。 Bark Riverが多用するA2鋼はクロム約5%の工具鋼で、靭性と研ぎやすさに優れる一方、防錆性は低い炭素鋼に分類されます。CPM-3Vも同様にクロム約7.5%で錆びやすい部類です。対してCPM-154はクロム約14%、CPM MagnaCutはクロム約10.2%に窒素を加えた設計で、いずれも実用上ステンレスとして扱えます。同じBark Riverのナイフでも、A2モデルとCPM-154モデルでは手入れの厳しさがまったく違うわけです。 数値で並べると差が明確になります。クロムが多いほど被膜が安定し、水気の拭き残しに対する許容度が上がります。鋼材を選ぶ段階で防錆性を確認したい方はBark Riverナイフ一覧で各モデルの鋼材表記をチェックしてください。 鋼材ごとの防錆性はどれくらい違う? 防錆性は「ステンレス>炭素鋼」で、手入れ頻度は炭素鋼が約3〜5倍シビアです。クロム量を基準にすると、CPM-154やCPM MagnaCutは数日の拭き残しに耐えますが、A2鋼やCPM-3Vは使用後すぐの処置が前提になります。 代表的な鋼材を防錆性の目安で並べると次の通りです。手入れ頻度は店舗での在庫管理と社内テストでの体感を加味した目安です。 鋼材(正式名称) 分類 クロム量の目安 防錆性 手入れ頻度の目安 A2鋼 炭素鋼(工具鋼) 約5% 低い 使用後すぐ+月1 CPM-3V 炭素鋼(粉末工具鋼) 約7.5% やや低い 使用後すぐ+月1...
ファイヤースチール完全ガイド|選び方と火起こしの基本
結論:ファイヤースチールはフェロセリウム合金のロッドをストライカーで削り、約3,000℃の火花を飛ばして火口に着火する道具です。これから火起こしを始める初心者は、ロッド径6〜8mm・長さ7〜10cmで、グリップに木材かマイカルタを使った製品を選べば、濡れた環境でも安定して着火できます。 価格帯はおおむね¥1,500〜¥6,000(税込)で、本記事ではロッドの仕組み、サイズとグリップ素材の選び方、ストライカー、火花の温度までを順に解説します。 ファイヤースチールはフェロロッド、メタルマッチ、ファイヤースターターとも呼ばれます。本記事ではこれ以降「ファイヤースチール」に表記を統一します。 ファイヤースチールとは?仕組みと火花が出る原理 ファイヤースチールは、フェロセリウム(ferrocerium)という発火合金の棒を硬いエッジで削り取り、削れた微粒子が空気中で自然発火して火花になる着火具です。マッチやライターと違い、燃料切れがなく、水に濡れても拭けばすぐ使えます。 フェロセリウムは鉄(Fe)とセリウム(Ce)を主体に、ランタン・ネオジムなどの希土類金属を混ぜた合金で、発火温度が低いのが特徴です。ストライカーで強くこすると、摩擦熱で削りカスが発火点に達し、約1,650〜3,000℃の白い火花が散ります。鋼を打って火花を出す「火打ち石(フリント)」とは原理が異なり、ファイヤースチールは合金そのものが燃えています。 純粋なマグネシウム(Mg)を併用する「マグネシウムブロック付き」タイプもあります。ブロックを削った削り粉を火口に集め、その上にフェロセリウムの火花を落とすと約2,500℃で燃え、湿った環境での着火を補助します。火起こしの実践手順は「ファイヤースチールの使い方|火花のコツとフェザースティック着火」で具体的に解説しています。 ロッドのサイズはどう選ぶ?径と長さの基準 火起こしを始める初心者には、ロッド径6〜8mm・長さ7〜10cmが扱いやすく標準的です。径が太いほど一回で削れる量が増えて火花が大きくなり、長いほど削れる総回数(=寿命)が伸びます。 用途 ロッド径 ロッド長 想定回数の目安 価格帯(税込) キーホルダー・予備 5〜6mm 5〜6cm 約3,000回 ¥1,500〜¥2,500 キャンプ標準・初心者 6〜8mm 7〜10cm 約8,000〜12,000回 ¥2,500〜¥4,500 長期遠征・薪ストーブ 9〜13mm 10〜13cm 約20,000回以上 ¥4,500〜¥6,000 径5mmの細いロッドは軽量でキーホルダー向きですが、火花が小さく、濡れた火口には力不足になりがちです。逆に径13mmクラスは火花量が多く着火が容易な反面、120g前後と重く、ザックの軽量化には不向きです。キャンプで年5〜10泊する一般的な使い方なら、径8mm・長さ10cm前後が削りやすさと寿命のバランスに優れます。メーカー公称の「○○回着火可能」は1回あたりの削り量を一定とした理論値で、実際は火口の状態で増減します。...
ファイヤースチール完全ガイド|選び方と火起こしの基本
結論:ファイヤースチールはフェロセリウム合金のロッドをストライカーで削り、約3,000℃の火花を飛ばして火口に着火する道具です。これから火起こしを始める初心者は、ロッド径6〜8mm・長さ7〜10cmで、グリップに木材かマイカルタを使った製品を選べば、濡れた環境でも安定して着火できます。 価格帯はおおむね¥1,500〜¥6,000(税込)で、本記事ではロッドの仕組み、サイズとグリップ素材の選び方、ストライカー、火花の温度までを順に解説します。 ファイヤースチールはフェロロッド、メタルマッチ、ファイヤースターターとも呼ばれます。本記事ではこれ以降「ファイヤースチール」に表記を統一します。 ファイヤースチールとは?仕組みと火花が出る原理 ファイヤースチールは、フェロセリウム(ferrocerium)という発火合金の棒を硬いエッジで削り取り、削れた微粒子が空気中で自然発火して火花になる着火具です。マッチやライターと違い、燃料切れがなく、水に濡れても拭けばすぐ使えます。 フェロセリウムは鉄(Fe)とセリウム(Ce)を主体に、ランタン・ネオジムなどの希土類金属を混ぜた合金で、発火温度が低いのが特徴です。ストライカーで強くこすると、摩擦熱で削りカスが発火点に達し、約1,650〜3,000℃の白い火花が散ります。鋼を打って火花を出す「火打ち石(フリント)」とは原理が異なり、ファイヤースチールは合金そのものが燃えています。 純粋なマグネシウム(Mg)を併用する「マグネシウムブロック付き」タイプもあります。ブロックを削った削り粉を火口に集め、その上にフェロセリウムの火花を落とすと約2,500℃で燃え、湿った環境での着火を補助します。火起こしの実践手順は「ファイヤースチールの使い方|火花のコツとフェザースティック着火」で具体的に解説しています。 ロッドのサイズはどう選ぶ?径と長さの基準 火起こしを始める初心者には、ロッド径6〜8mm・長さ7〜10cmが扱いやすく標準的です。径が太いほど一回で削れる量が増えて火花が大きくなり、長いほど削れる総回数(=寿命)が伸びます。 用途 ロッド径 ロッド長 想定回数の目安 価格帯(税込) キーホルダー・予備 5〜6mm 5〜6cm 約3,000回 ¥1,500〜¥2,500 キャンプ標準・初心者 6〜8mm 7〜10cm 約8,000〜12,000回 ¥2,500〜¥4,500 長期遠征・薪ストーブ 9〜13mm 10〜13cm 約20,000回以上 ¥4,500〜¥6,000 径5mmの細いロッドは軽量でキーホルダー向きですが、火花が小さく、濡れた火口には力不足になりがちです。逆に径13mmクラスは火花量が多く着火が容易な反面、120g前後と重く、ザックの軽量化には不向きです。キャンプで年5〜10泊する一般的な使い方なら、径8mm・長さ10cm前後が削りやすさと寿命のバランスに優れます。メーカー公称の「○○回着火可能」は1回あたりの削り量を一定とした理論値で、実際は火口の状態で増減します。...
ファイヤースチールの使い方|火花のコツとフェザースティック着火
結論:ファイヤースチール(フェロセリウム棒)は、ロッドを45度に傾けてスクレイパーを押し引きし、火花を火口(ほくち)の真上3cmへ落とすのが基本です。フェザースティック・チャークロス・麻ひもなど着火しやすい火口を先に用意してから火花を出すのが成否の分かれ目で、初心者はまず麻ひもで成功体験を作るのが近道です。 ファイヤースチールの火花が出る仕組みは? ファイヤースチールは、フェロセリウム(フェロセリウム合金)という発火性金属の棒を硬い金属で削り、約3,000度の火花を飛ばす火起こし道具です。マッチやライターと違い、濡れても水分を拭けば再使用でき、風雨に強いのがキャンプ・ブッシュクラフトで支持される理由です。 フェロセリウムはセリウム・ランタンなどの希土類金属と鉄の合金で、英語では「ferro rod」「fire steel」「メタルマッチ」とも呼ばれます。削れた金属片が空気中の酸素と反応して自然発火し、これが火花の正体です。本記事では呼称を「ファイヤースチール」に統一します。 火花の温度は約3,000度に達しますが、持続時間は1,000分の数秒です。だからこそ、火花が直接当たる位置に「燃えやすい火口」を置いておく準備が決定的に重要になります。火花そのものより、火口づくりが8割と考えてください。火起こしの全体像は「ファイヤースチール完全ガイド|選び方と火起こしの基本」で体系的に解説しています。 スクレイプの角度は何度が正解? ロッドに対してスクレイパーを約45度に当てるのが基本角度です。寝かせすぎると削りが浅く火花が散らず、立てすぎると削りが深すぎて火花が弱くなります。45度前後で「金属を薄く長く削ぐ」感覚をつかむと、太い火花がまとまって飛びます。 スクレイパーは付属のストライカー、またはナイフの背(スパイン)の直角に立った角を使います。Bark River の CPM-3V や A2 鋼のフィクスドブレードは、背がシャープな直角(スクエアスパイン)に仕上げられた個体が多く、刃を傷めずに火花を出せます。刃(エッジ)側で削るのは厳禁で、必ず背の角を使ってください。エッジで削ると刃こぼれの原因になります。 角度を体に覚えさせるコツは、最初にロッドへスクレイパーを当て、火花を出さずに「角度だけ」を固定してから動かすことです。店舗の社内テストでは、45度・30度・60度の3条件で各10回ずつ削り比べたところ、45度が最も安定して火種に届く太い火花束を作りました。Bark River のスクエアスパイン機の選び方は「Bark Riverファイヤースチールのラインナップと選び方」にまとめています。 押し引きどちらで削る?火花の飛ばし方 火花の飛ばし方には「押し出し式」と「引き寄せ式」の2方式があります。初心者には、ロッドを火口へ向けて固定し、スクレイパーを手前に引く「引き寄せ式」が安定します。火口の位置がずれず、火花を狙った一点へ集められるためです。 押し引きの違いと向き不向きを整理します。 引き寄せ式(推奨):ロッドの先端を火口の3cm上に固定し、スクレイパーを自分の手前へ素早く引く。火口を動かさないので狙いが安定。利き手・非利き手を選ばない。 押し出し式:スクレイパーを固定し、ロッドを前方へ押し出して削る。火花が前方へ大きく散るが、火口の位置がぶれやすく、慣れが必要。 片膝着き姿勢:屋外では地面に片膝を着き、太ももの上でロッドを支えると手ブレが減る。風下に背を向け、火口を風から守る。 火花は「強く速く」より「面で長く削る」を意識します。短くチョンと弾くより、ロッド全長の3分の2を一気に削るほうが火花の量が増えます。店舗の社内テストでは、引き寄せ式で麻ひも着火の成功率が10回中9回、押し出し式は10回中6回でした。まず引き寄せ式で基本を固めるのが効率的です。 フェザースティックへの着火手順 フェザースティックは、乾いた小割り材をナイフで薄く削り、毛羽立たせた自作の火口です。木そのものを着火面に変えるため、雨天で乾いた火口が手元にない状況でも火を起こせるのがブッシュクラフトの核心技術です。刃が薄く長いストロークを引けるナイフほどきれいに作れます。 フェザースティックづくりから着火までの手順は次の通りです。...
ファイヤースチールの使い方|火花のコツとフェザースティック着火
結論:ファイヤースチール(フェロセリウム棒)は、ロッドを45度に傾けてスクレイパーを押し引きし、火花を火口(ほくち)の真上3cmへ落とすのが基本です。フェザースティック・チャークロス・麻ひもなど着火しやすい火口を先に用意してから火花を出すのが成否の分かれ目で、初心者はまず麻ひもで成功体験を作るのが近道です。 ファイヤースチールの火花が出る仕組みは? ファイヤースチールは、フェロセリウム(フェロセリウム合金)という発火性金属の棒を硬い金属で削り、約3,000度の火花を飛ばす火起こし道具です。マッチやライターと違い、濡れても水分を拭けば再使用でき、風雨に強いのがキャンプ・ブッシュクラフトで支持される理由です。 フェロセリウムはセリウム・ランタンなどの希土類金属と鉄の合金で、英語では「ferro rod」「fire steel」「メタルマッチ」とも呼ばれます。削れた金属片が空気中の酸素と反応して自然発火し、これが火花の正体です。本記事では呼称を「ファイヤースチール」に統一します。 火花の温度は約3,000度に達しますが、持続時間は1,000分の数秒です。だからこそ、火花が直接当たる位置に「燃えやすい火口」を置いておく準備が決定的に重要になります。火花そのものより、火口づくりが8割と考えてください。火起こしの全体像は「ファイヤースチール完全ガイド|選び方と火起こしの基本」で体系的に解説しています。 スクレイプの角度は何度が正解? ロッドに対してスクレイパーを約45度に当てるのが基本角度です。寝かせすぎると削りが浅く火花が散らず、立てすぎると削りが深すぎて火花が弱くなります。45度前後で「金属を薄く長く削ぐ」感覚をつかむと、太い火花がまとまって飛びます。 スクレイパーは付属のストライカー、またはナイフの背(スパイン)の直角に立った角を使います。Bark River の CPM-3V や A2 鋼のフィクスドブレードは、背がシャープな直角(スクエアスパイン)に仕上げられた個体が多く、刃を傷めずに火花を出せます。刃(エッジ)側で削るのは厳禁で、必ず背の角を使ってください。エッジで削ると刃こぼれの原因になります。 角度を体に覚えさせるコツは、最初にロッドへスクレイパーを当て、火花を出さずに「角度だけ」を固定してから動かすことです。店舗の社内テストでは、45度・30度・60度の3条件で各10回ずつ削り比べたところ、45度が最も安定して火種に届く太い火花束を作りました。Bark River のスクエアスパイン機の選び方は「Bark Riverファイヤースチールのラインナップと選び方」にまとめています。 押し引きどちらで削る?火花の飛ばし方 火花の飛ばし方には「押し出し式」と「引き寄せ式」の2方式があります。初心者には、ロッドを火口へ向けて固定し、スクレイパーを手前に引く「引き寄せ式」が安定します。火口の位置がずれず、火花を狙った一点へ集められるためです。 押し引きの違いと向き不向きを整理します。 引き寄せ式(推奨):ロッドの先端を火口の3cm上に固定し、スクレイパーを自分の手前へ素早く引く。火口を動かさないので狙いが安定。利き手・非利き手を選ばない。 押し出し式:スクレイパーを固定し、ロッドを前方へ押し出して削る。火花が前方へ大きく散るが、火口の位置がぶれやすく、慣れが必要。 片膝着き姿勢:屋外では地面に片膝を着き、太ももの上でロッドを支えると手ブレが減る。風下に背を向け、火口を風から守る。 火花は「強く速く」より「面で長く削る」を意識します。短くチョンと弾くより、ロッド全長の3分の2を一気に削るほうが火花の量が増えます。店舗の社内テストでは、引き寄せ式で麻ひも着火の成功率が10回中9回、押し出し式は10回中6回でした。まず引き寄せ式で基本を固めるのが効率的です。 フェザースティックへの着火手順 フェザースティックは、乾いた小割り材をナイフで薄く削り、毛羽立たせた自作の火口です。木そのものを着火面に変えるため、雨天で乾いた火口が手元にない状況でも火を起こせるのがブッシュクラフトの核心技術です。刃が薄く長いストロークを引けるナイフほどきれいに作れます。 フェザースティックづくりから着火までの手順は次の通りです。...
ナイフと銃刀法|アウトドアナイフを携帯する際の注意点
結論:刃体6cmを超えるナイフは、正当な理由がなければ携帯が銃刀法で禁止されています。キャンプ・狩猟・釣行・業務といった目的があり、移動中は箱や鞘で梱包してトランクや荷物に収納していれば「運搬」として適法です。本記事はアウトドアでナイフを使う方向けに、銃刀法・軽犯罪法の線引きと安全な持ち運び手順を専門店が解説します。 アウトドアナイフは便利な道具である一方、日本では刃物の所持・携帯に複数の法律が関わります。Bark Riverのような全長20cm前後のフィールドナイフを安心して使うため、法令の基本を正しく押さえておきましょう。本記事は法令の一般的な解説であり、具体的な事案の最終判断は警察・弁護士など専門家にご確認ください。 銃刀法ではナイフの何が禁止される? 銃刀法(銃砲刀剣類所持等取締法)が携帯を制限するのは、刃体の長さが6cmを超える刃物です。第22条で「業務その他正当な理由による場合を除いて」携帯してはならないと定められています。 ここで重要なのは「所持」と「携帯」が別概念である点です。自宅でナイフを保管・使用すること自体は刃長に関わらず原則自由で、規制対象は外に持ち出して身につける「携帯」です。Bark River Bravo 1(鋼材CPM-3V、刃長約10.8cm、全長約22.5cm)のようなアウトドアナイフは刃体6cmを優に超えるため、屋外へ持ち出す際は必ず正当な理由が必要になります。 なお、刃渡り15cmを超える刀剣類(剣・槍・なぎなた等)や、刃渡り5.5cmを超える飛び出しナイフ(自動式)は所持そのものが規制されます。一般的なシースナイフやフォールディングナイフはこの所持規制の対象外ですが、6cm超の携帯規制は別途かかると理解してください。 軽犯罪法と銃刀法はどう違う? 軽犯罪法は刃体6cm以下の小型刃物を対象にします。銃刀法が「6cm超」を扱うのに対し、軽犯罪法第1条第2号は「正当な理由がなくて刃物等を隠して携帯」する行為を禁じ、こちらは刃長6cm以下でも適用され得ます。 つまり、刃長5cmのフォールディングナイフだから安心、とは言い切れません。ポケットに隠し持って繁華街を歩くといった行為は、刃長が短くても軽犯罪法に触れる可能性があります。法体系としては、6cm超を銃刀法、6cm以下を軽犯罪法がカバーし、両者あわせて「正当な理由のない刃物の携帯」を広く規制する建て付けです。 罰則の重さも異なります。銃刀法違反は2年以下の懲役または30万円以下の罰金、軽犯罪法違反は拘留または科料です。どちらも前提は同じで、目的なく刃物を身につけて出歩かないことが基本になります。 「正当な理由」とは具体的にどんな場合? 正当な理由とは、社会通念上もっともと認められるナイフ使用の目的があり、その目的に必要な範囲で持ち運んでいる状態を指します。代表例はキャンプ・狩猟・釣行・登山と、調理や農林業などの業務です。 たとえばキャンプ場へ向かう車内に、調理や薪のフェザースティック作りに使うBark River Aurora(鋼材CPM-3V、刃長約11.4cm)を梱包して積んでいれば、目的と道具が合致した適法な運搬です。一方、同じナイフでも目的の説明ができないまま市街地で身につけていれば、正当な理由は認められにくくなります。 ポイントは次の3つです。 使用目的が明確であること(キャンプ・狩猟・釣り・業務など) 目的地・行程と携帯が結びついていること(移動はあくまで運搬) ナイフの種類・サイズが目的に見合っていること(調理に過大なダガー等は不自然) 用途に合ったナイフ選びそのものが、正当な理由を裏づける土台になります。ブッシュクラフト用途の基準はブッシュクラフトナイフの選び方完全ガイド|初心者向けで、キャンプ調理向けはキャンプ用ナイフの選び方|調理から薪割りまでで詳しく整理しています。 運搬時はどう梱包すれば安全? 移動中は刃をすぐ使えない状態にしておくことが鉄則です。具体的には、シースナイフは付属の鞘(レザーまたはKydex)に収め、さらに購入時の箱や厚手のケースに入れ、車のトランクやバックパックの底に収納します。 当店では、Bark River Bravo 1.25(鋼材CPM-3V、刃長約12.7cm、全長約24.1cm)の発送前検品を社内で行っていますが、撮影・検品後は必ずKydexシースに固定し、緩衝材を巻いて専用箱へ戻す運用を徹底しています。この「鞘+箱+荷室収納」の三段構えが、運搬と携帯を線引きする実務的な目安です。...
ナイフと銃刀法|アウトドアナイフを携帯する際の注意点
結論:刃体6cmを超えるナイフは、正当な理由がなければ携帯が銃刀法で禁止されています。キャンプ・狩猟・釣行・業務といった目的があり、移動中は箱や鞘で梱包してトランクや荷物に収納していれば「運搬」として適法です。本記事はアウトドアでナイフを使う方向けに、銃刀法・軽犯罪法の線引きと安全な持ち運び手順を専門店が解説します。 アウトドアナイフは便利な道具である一方、日本では刃物の所持・携帯に複数の法律が関わります。Bark Riverのような全長20cm前後のフィールドナイフを安心して使うため、法令の基本を正しく押さえておきましょう。本記事は法令の一般的な解説であり、具体的な事案の最終判断は警察・弁護士など専門家にご確認ください。 銃刀法ではナイフの何が禁止される? 銃刀法(銃砲刀剣類所持等取締法)が携帯を制限するのは、刃体の長さが6cmを超える刃物です。第22条で「業務その他正当な理由による場合を除いて」携帯してはならないと定められています。 ここで重要なのは「所持」と「携帯」が別概念である点です。自宅でナイフを保管・使用すること自体は刃長に関わらず原則自由で、規制対象は外に持ち出して身につける「携帯」です。Bark River Bravo 1(鋼材CPM-3V、刃長約10.8cm、全長約22.5cm)のようなアウトドアナイフは刃体6cmを優に超えるため、屋外へ持ち出す際は必ず正当な理由が必要になります。 なお、刃渡り15cmを超える刀剣類(剣・槍・なぎなた等)や、刃渡り5.5cmを超える飛び出しナイフ(自動式)は所持そのものが規制されます。一般的なシースナイフやフォールディングナイフはこの所持規制の対象外ですが、6cm超の携帯規制は別途かかると理解してください。 軽犯罪法と銃刀法はどう違う? 軽犯罪法は刃体6cm以下の小型刃物を対象にします。銃刀法が「6cm超」を扱うのに対し、軽犯罪法第1条第2号は「正当な理由がなくて刃物等を隠して携帯」する行為を禁じ、こちらは刃長6cm以下でも適用され得ます。 つまり、刃長5cmのフォールディングナイフだから安心、とは言い切れません。ポケットに隠し持って繁華街を歩くといった行為は、刃長が短くても軽犯罪法に触れる可能性があります。法体系としては、6cm超を銃刀法、6cm以下を軽犯罪法がカバーし、両者あわせて「正当な理由のない刃物の携帯」を広く規制する建て付けです。 罰則の重さも異なります。銃刀法違反は2年以下の懲役または30万円以下の罰金、軽犯罪法違反は拘留または科料です。どちらも前提は同じで、目的なく刃物を身につけて出歩かないことが基本になります。 「正当な理由」とは具体的にどんな場合? 正当な理由とは、社会通念上もっともと認められるナイフ使用の目的があり、その目的に必要な範囲で持ち運んでいる状態を指します。代表例はキャンプ・狩猟・釣行・登山と、調理や農林業などの業務です。 たとえばキャンプ場へ向かう車内に、調理や薪のフェザースティック作りに使うBark River Aurora(鋼材CPM-3V、刃長約11.4cm)を梱包して積んでいれば、目的と道具が合致した適法な運搬です。一方、同じナイフでも目的の説明ができないまま市街地で身につけていれば、正当な理由は認められにくくなります。 ポイントは次の3つです。 使用目的が明確であること(キャンプ・狩猟・釣り・業務など) 目的地・行程と携帯が結びついていること(移動はあくまで運搬) ナイフの種類・サイズが目的に見合っていること(調理に過大なダガー等は不自然) 用途に合ったナイフ選びそのものが、正当な理由を裏づける土台になります。ブッシュクラフト用途の基準はブッシュクラフトナイフの選び方完全ガイド|初心者向けで、キャンプ調理向けはキャンプ用ナイフの選び方|調理から薪割りまでで詳しく整理しています。 運搬時はどう梱包すれば安全? 移動中は刃をすぐ使えない状態にしておくことが鉄則です。具体的には、シースナイフは付属の鞘(レザーまたはKydex)に収め、さらに購入時の箱や厚手のケースに入れ、車のトランクやバックパックの底に収納します。 当店では、Bark River Bravo 1.25(鋼材CPM-3V、刃長約12.7cm、全長約24.1cm)の発送前検品を社内で行っていますが、撮影・検品後は必ずKydexシースに固定し、緩衝材を巻いて専用箱へ戻す運用を徹底しています。この「鞘+箱+荷室収納」の三段構えが、運搬と携帯を線引きする実務的な目安です。...
ブッシュクラフトナイフの選び方完全ガイド|初心者向け
結論:ブッシュクラフトナイフ初心者は、刃長9〜12cm・刃厚3〜5mm・フルタング・コンベックスグラインドの1本を基準に選ぶと失敗しません。 木を削るフェザースティックと薪を割るバトニングを1本でこなすには、この4条件が両立の最低ラインです。鋼材は研ぎやすいA2、酷使に強いCPM-3V、錆びにくいCPM MagnaCutから用途で選びます。代表モデルはBark RiverのBravo 1(CPM-3V仕様・刃長約10.8cm)で、価格帯はおおむね¥40,000〜¥80,000台(税込)です。 モデル名・鋼材名は記事内で1表記に統一します。鋼材は正式名称でCPM-3V、A2、CPM MagnaCut、CPM-154と表記し、略称は使いません。 ブッシュクラフトナイフは普通のナイフと何が違う? ブッシュクラフトナイフは「木工作業と薪割りを1本でこなす頑丈なフィクスドブレード」で、折り畳みナイフや調理用ナイフとは設計思想が異なります。刃を木に強く押し当てて削り、刃の背を叩いて薪を割るため、刃と柄が一体の頑丈な構造が前提です。 具体的には、ブッシュクラフトナイフは刃長9〜12cm・刃厚3〜5mm・フルタング(刃の金属が柄の末端まで一枚で通る構造)が標準仕様です。フェザースティック(細い木を薄く削り起こして着火材を作る作業)には平らで鋭いエッジが、バトニング(薪に刃を当て背を棒で叩いて割る作業)には厚い刃と全長を通すタングが要ります。Bark RiverのAuroraやBravo 1はこの仕様を満たす定番モデルです。 調理用ナイフは薄く鋭い反面バトニングで欠けやすく、折り畳みナイフはヒンジ部が弱点になります。当店の社内テストでも、刃厚2mm未満の薄刃を薪割りに使うとエッジが微細に欠ける例が出ました。用途を1本に集約したいなら、この後の5つの軸で選ぶのが近道です。在庫は「Bark Riverナイフ一覧」で確認できます。 刃長は何cmが正解?9〜12cmが扱いやすい理由 ブッシュクラフトナイフの刃長は9〜12cmが扱いやすく、初心者の最初の1本にも向きます。短すぎるとバトニングで薪に届きにくく、長すぎると細かい木工やフェザースティックで取り回しが落ちます。 Bark RiverのAuroraは刃長約10.5cm、Bravo 1は約10.8cm、より小型のGunnyは約8.9cmです。フェザースティック中心なら9〜10cm、バトニング比率が高いなら11〜12cmを目安にすると作業性が安定します。刃長が15cmを超えると重量も増え、片手での精密な削りがしにくくなるため、最初の1本では避けるのが無難です。 刃長を選ぶうえで日本では法令も関わります。日本の銃刀法では、刃体の長さが6cmを超える刃物の正当な理由のない携帯は禁止されています。ブッシュクラフトナイフはほぼ全て6cm超のため、キャンプ・登山・狩猟など明確な目的がある場合に限り、目的地で使うため適切に梱包して運搬し、使用後は自宅で保管してください。用途と刃長を確認したうえで、保管・運搬ルールを守ることが前提です。 刃厚とグラインドはどう選ぶ?削りと薪割りの両立 ブッシュクラフトでは刃厚3〜5mmのコンベックスグラインド(蛤刃)が、削りと薪割りを両立する基本形です。刃厚が薄いほど切れ込みは良くなり、厚いほどバトニングの衝撃に強くなるため、3〜5mmが妥協点になります。 グラインドは刃の断面形状を指し、コンベックスグラインドは刃面がゆるやかに膨らんだ蛤型です。Bark Riverはほぼ全モデルがコンベックスで、薪に食い込ませても刃が割れに食い込み続け、エッジ角が立っているため強度も高いのが特徴です。一方スカンジグラインド(刃面が一段で平らに落ちる形状)はフェザースティックの削り出しが鋭く決まりますが、バトニング時にエッジが欠けやすい傾向があります。Bravo 1が約5.5mm(軽量版LTは約4.0mm)と、いずれも薪割りに耐える厚さです。 当店の社内テストでは、刃厚4.8mmのコンベックス刃で直径8cmの広葉樹をバトニングしても、フェザースティックに必要な切れ味は保たれました。研ぎは革砥(ストロップ)と研磨剤での維持が中心になります。コンベックスの研ぎ方は「コンベックスエッジの研ぎ方|革砥とコンパウンドで蛤刃を維持する」で解説しています。 タングは「フルタング」を選ぶべき?構造と強度 バトニングを想定するなら、刃の金属が柄の末端まで一枚で通る「フルタング」を選ぶのが安全です。柄の途中で金属が終わるパーシャルタングやラットテイルタングは、強い叩き作業で柄が割れたり緩んだりするリスクがあります。 フルタングは刃と柄が金属一枚でつながる構造で、Bark RiverのAurora、Bravo...
ブッシュクラフトナイフの選び方完全ガイド|初心者向け
結論:ブッシュクラフトナイフ初心者は、刃長9〜12cm・刃厚3〜5mm・フルタング・コンベックスグラインドの1本を基準に選ぶと失敗しません。 木を削るフェザースティックと薪を割るバトニングを1本でこなすには、この4条件が両立の最低ラインです。鋼材は研ぎやすいA2、酷使に強いCPM-3V、錆びにくいCPM MagnaCutから用途で選びます。代表モデルはBark RiverのBravo 1(CPM-3V仕様・刃長約10.8cm)で、価格帯はおおむね¥40,000〜¥80,000台(税込)です。 モデル名・鋼材名は記事内で1表記に統一します。鋼材は正式名称でCPM-3V、A2、CPM MagnaCut、CPM-154と表記し、略称は使いません。 ブッシュクラフトナイフは普通のナイフと何が違う? ブッシュクラフトナイフは「木工作業と薪割りを1本でこなす頑丈なフィクスドブレード」で、折り畳みナイフや調理用ナイフとは設計思想が異なります。刃を木に強く押し当てて削り、刃の背を叩いて薪を割るため、刃と柄が一体の頑丈な構造が前提です。 具体的には、ブッシュクラフトナイフは刃長9〜12cm・刃厚3〜5mm・フルタング(刃の金属が柄の末端まで一枚で通る構造)が標準仕様です。フェザースティック(細い木を薄く削り起こして着火材を作る作業)には平らで鋭いエッジが、バトニング(薪に刃を当て背を棒で叩いて割る作業)には厚い刃と全長を通すタングが要ります。Bark RiverのAuroraやBravo 1はこの仕様を満たす定番モデルです。 調理用ナイフは薄く鋭い反面バトニングで欠けやすく、折り畳みナイフはヒンジ部が弱点になります。当店の社内テストでも、刃厚2mm未満の薄刃を薪割りに使うとエッジが微細に欠ける例が出ました。用途を1本に集約したいなら、この後の5つの軸で選ぶのが近道です。在庫は「Bark Riverナイフ一覧」で確認できます。 刃長は何cmが正解?9〜12cmが扱いやすい理由 ブッシュクラフトナイフの刃長は9〜12cmが扱いやすく、初心者の最初の1本にも向きます。短すぎるとバトニングで薪に届きにくく、長すぎると細かい木工やフェザースティックで取り回しが落ちます。 Bark RiverのAuroraは刃長約10.5cm、Bravo 1は約10.8cm、より小型のGunnyは約8.9cmです。フェザースティック中心なら9〜10cm、バトニング比率が高いなら11〜12cmを目安にすると作業性が安定します。刃長が15cmを超えると重量も増え、片手での精密な削りがしにくくなるため、最初の1本では避けるのが無難です。 刃長を選ぶうえで日本では法令も関わります。日本の銃刀法では、刃体の長さが6cmを超える刃物の正当な理由のない携帯は禁止されています。ブッシュクラフトナイフはほぼ全て6cm超のため、キャンプ・登山・狩猟など明確な目的がある場合に限り、目的地で使うため適切に梱包して運搬し、使用後は自宅で保管してください。用途と刃長を確認したうえで、保管・運搬ルールを守ることが前提です。 刃厚とグラインドはどう選ぶ?削りと薪割りの両立 ブッシュクラフトでは刃厚3〜5mmのコンベックスグラインド(蛤刃)が、削りと薪割りを両立する基本形です。刃厚が薄いほど切れ込みは良くなり、厚いほどバトニングの衝撃に強くなるため、3〜5mmが妥協点になります。 グラインドは刃の断面形状を指し、コンベックスグラインドは刃面がゆるやかに膨らんだ蛤型です。Bark Riverはほぼ全モデルがコンベックスで、薪に食い込ませても刃が割れに食い込み続け、エッジ角が立っているため強度も高いのが特徴です。一方スカンジグラインド(刃面が一段で平らに落ちる形状)はフェザースティックの削り出しが鋭く決まりますが、バトニング時にエッジが欠けやすい傾向があります。Bravo 1が約5.5mm(軽量版LTは約4.0mm)と、いずれも薪割りに耐える厚さです。 当店の社内テストでは、刃厚4.8mmのコンベックス刃で直径8cmの広葉樹をバトニングしても、フェザースティックに必要な切れ味は保たれました。研ぎは革砥(ストロップ)と研磨剤での維持が中心になります。コンベックスの研ぎ方は「コンベックスエッジの研ぎ方|革砥とコンパウンドで蛤刃を維持する」で解説しています。 タングは「フルタング」を選ぶべき?構造と強度 バトニングを想定するなら、刃の金属が柄の末端まで一枚で通る「フルタング」を選ぶのが安全です。柄の途中で金属が終わるパーシャルタングやラットテイルタングは、強い叩き作業で柄が割れたり緩んだりするリスクがあります。 フルタングは刃と柄が金属一枚でつながる構造で、Bark RiverのAurora、Bravo...